印鑑証明(印鑑証明書)を取得する際の発行手数料は、どの勘定科目で処理すればいいのか迷う方が多いのではないでしょうか。
本記事では勘定科目の選び方や具体的な仕訳例をわかりやすく紹介。
少額の出費だけに、無計画に処理すると会計分析で混乱を招く恐れもあるため、ぜひ参考にしてください。
印鑑証明(印鑑証明書)の勘定科目と仕訳
印鑑証明の取得費用は法務局や地方公共団体へ支払う形となり、1枚数百円程度の少額です。
会計上では以下のような3つの勘定科目がよく用いられます。
印鑑証明を発行したときの勘定科目
- 租税公課
- 支払手数料
- 雑費
いずれを選んでも問題ありませんが、年間の発行回数・金額や他の取引との整合性などを考慮して決定しましょう。
租税公課として処理
最も一般的な処理方法。
「租税公課」とは、税金や公的負担金を計上する勘定科目で、印鑑証明の手数料も地方公共団体への支払いとみなしやすいので、多くの事業者がこの方法を採用しています。
支払手数料として処理
取引・手続き上の手数料を処理する勘定科目として、「支払手数料」を用いることも可能。
印鑑証明の発行手数料を「対価」として考えるなら、こちらも妥当です。
雑費として処理
少額・低頻度の支出をまとめて処理する「雑費」に計上するケースも。
ただし、印鑑証明の年間発行回数を管理したい場合は、他の勘定科目を選んだ方が良いでしょう。
どの勘定科目で処理してもOK
法律で明確に定められているわけではないため、どの勘定科目を選ぶかは企業の自由です。
一度決めたら継続的に使用する(継続性の原則)ことが望ましいですが、正当な理由があれば変更しても問題ありません。
印鑑証明の発行手数料の仕訳例
ここでは、租税公課として処理する際の具体的な仕訳例を紹介します。
法人の場合、購入した収入印紙を貼って法務局へ提出する流れが一般的ですが、個人事業主なら市区町村役場などで直接支払う場合もあります。
印鑑証明1通を取得するため、発行手数料450円分の収入印紙を現金で購入し、すぐに申請した場合
購入した収入印紙を即時使用した場合は、以下の仕訳になります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 租税公課 450円 | 現金 450円 |
印鑑証明1通を取得するため、ストックしていた発行手数料450円分の収入印紙を使用した場合
収入印紙をまとめ買いして貯蔵品として管理しているケースの仕訳例です。
- STEP1:収入印紙8,000円分を現金で購入し、いったん「租税公課」で処理
| 借方:租税公課 8,000円 | 貸方:現金 8,000円 |
- STEP2:期末や月末に残った収入印紙があれば、貯蔵品勘定へ振り替える
| 借方:貯蔵品 3,000円 | 貸方:租税公課 3,000円 |
(例では3,000円分の収入印紙が余った場合の仕訳)
- STEP3:貯蔵品から450円分の収入印紙を使って印鑑証明1通を取得した場合
| 借方:租税公課 450円 | 貸方:貯蔵品 450円 |
印鑑証明とは?
印鑑証明書は、市区町村に実印を登録すると取得できる書類。
個人・法人問わず、公式な契約で本人(代表者)確認を示すために使われます。
法人の場合、会社の法務局印鑑登録を済ませれば印鑑証明書が発行可能に。
個人事業主(フリーランス)ではあくまで「個人の実印」となるため、ビジネス用実印は特に存在せず、個人印を使う形です。
印鑑証明が必要な場面
- 法人名義の銀行口座開設
- 不動産の売買・所有権移転
- 商業融資・ローン契約
- 株主総会関連手続き
印鑑証明の発行は非課税
印鑑証明の発行手数料は非課税取引に該当します。
「支払手数料」「雑費」など課税仕入になりがちな勘定科目で処理する場合は、補助科目を設定して非課税にするなど、会計ソフト上で注意しましょう。
「租税公課」で処理する場合は、基本的に非課税区分になっていることが多いです。
まとめ
印鑑証明(印鑑証明書)の取得費用は1通あたり数百円程度の少額ですが、法務局や地方公共団体への支払いであり
「租税公課」「支払手数料」「雑費」のいずれにも計上可能です。
▼印鑑証明の勘定科目のポイント
・最も一般的なのは租税公課
・手数料として捉えるなら支払手数料でもOK
・少額・低頻度なら雑費でも可(用途不明になりやすい点に注意)
また、会計処理には「継続性の原則」があるため、一度決めた勘定科目を継続的に使うのが基本です。
正当な理由があれば変更できますが、何度も勘定科目を替えると外部から疑惑を持たれるリスクも。
今後、印鑑証明を取得する機会が多いならどの勘定科目を使うか、消費税区分を非課税に設定するかなど
しっかり検討しておくと、帳簿管理がスムーズに行えます。


